抗生物質とバクテリアの関係

循環型陸上養殖システムは微生物の浄化力を応用したバイオテクノロジーです。
汚れた飼育海水はバクテリアが酸素を使って分解するのできれいな海水となり再利用ができます。
陸上養殖でも完全閉鎖循環式と呼ばれるものは飼育水槽に入れた海水を交換することなく出荷まで約1年間魚を養殖します。蒸発した分は真水を入れ、汚れた海水はろ過、浄化、殺菌して再利用します。PHが酸化してきたらミネラル剤で調整します。ろ過された糞、汚れは発酵処理機で肥料になります。
魚を水槽で飼育しているとアンモニア、亜硝酸、硝酸などが発生しますが、それらはバクテリアの力で消滅してしまいます。飼育海水をきれいにするために浄化槽がありますが、そのなかにはカキガラ、サンゴなどが入っておりバクテリアの住家、繁殖の場となっています。飼育海水の汚れがひどくなるとバクテリアは増殖して仲間をふやして海水中の有機物を捕食します。つまり、汚れが増えるとバクテリアも増えます。ろ過材にはより多くの穴があいている多孔質と言われる溶岩のような物質、カキガラ、サンゴなどのようにでこぼこして表面積の多いものが適しています。そこには目に見えない浄化バクテリアが住み着いています。バクテリアは有機物の分解に多くの酸素を必要としますので溶存酸素が高いほうが浄化能力は上がります。また、温度は高いほうがバクテリアの働きは活動的です。
海での養殖の場合、このようなシステムは不要です。海そのものが浄化槽となっているからです。
しかし、海も汚しすぎると自浄能力が落ちてしまいます。その結果、魚が病気になってしまうのです。魚が病気になると抗生物質を使用せざるを得ません。海の環境にとって抗生物質はよくないと養殖業者はわかっていても魚が病気で死んでしまうのでやむなく使用しているのです。抗生物質はすべての微生物を死滅させ、海に入った抗生物質はなかなか分解せず、海を汚染し続けます。しかし、循環型陸上養殖システムでは抗生物質を使用することはできません。浄化槽のなかに抗生物質を入れたらバクテリアは全滅してしまい、浄化能力はゼロになってしまいます。その結果、アンモニア、亜硝酸などの毒素が増え魚は死滅してしまいます。循環型陸上養殖しシステムでは絶対に抗生物質などの薬品は使用することができないのです。したがって、循環型陸上養殖システムの場合には魚が病気にならないような対策をとらなくてはなりません。それは飼育海水を清潔に保つために海水殺菌を常に行っています。病原菌はどこにでも生息していますが大繁殖をさせないことなのです。オゾンなどで常時殺菌することで病原菌の発生を抑えます。また、もう一つは病気に負けない抵抗力を魚に付けることなのです。それには免疫活性剤を使用します。これは天然のバクテリアが作るベータグルカンと呼ばれる免疫活性剤です。免疫力を増強しておくことで体内に侵入してきた病原菌を自分の免疫力で退治してしまうのです。正確には白血球の仲間が侵入してきた病原菌と戦うのです。これが免疫力でどんな薬よりも副作用なしに有効に病原菌を退治してしまうのです。
バクテリアの力を借りて行う事業は他にもいろいろあります。バイオマス、バイオエタノールなどの技術もバクテリアの力を借りて発酵させガスや燃料を作るものです。このように自然の力を利用し、薬を使わない方針をとることが安全、安心でおいしい魚を作る原点ともいえるでしょう。抗生物質は魚に与えた場合、魚の体に残留します。水産庁では抗生物質は指定された薬品を使うよう指導しています。抗生物質を魚に与えた場合には1〜2週間は出荷を規制しています。しかし、それを監視している人は誰もいません。悪く考えると養殖された魚に抗生物質が残留している可能性もあるということなのです。養殖業者の多くは抗生物質を使用せざるを得ない状況の環境下で魚を養殖しています。
しかし、養殖業者たちは自分たちが生産している養殖魚をあまり食べようとはしません。
抗生物質を使用しない循環型陸上養殖システムでは浄化槽内に善玉バクテリアが大量に増殖し、アンモニア、有機物などを分解してくれます。それらの善玉バクテリアが魚の体内、体表に生息し養殖独特の臭みを消してくれるので食したときにも臭みは全くありません。トラフグなどは独特の臭みを持っており、調理すると厨房全体が臭くなるほどですが、陸上養殖のトラフグは臭いが少なく身も天然トラフグのように透明感があります。
循環陸上養殖システムで育てられた魚は臭いがなく安全でおいしく食べられます。品質が通常の養殖魚とは全く違います。
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